前頭連合野(前頭前野)の活性化3・・・食べ物編
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    脳には血液中の物質を選択して、脳に有害な物質が侵入するのを防ぐ機構(毛細血管の内膜)があります。この脳防御システムを血液脳関門といいます。

    血液脳関門は脳血管と脳の間の物質移動を選択的に制限していて、ブドウ糖(グルコース)、アミノ酸などの栄養素などは通しますが高分子タンパク質や脂質、リン酸などは通しません。

    このように脳に送られてくる血中物質を選択し、バクテリアなど有害なものに脳が侵害されないように守るシステムが血液脳関門なのです。

     

    血液脳関門を通過する重要な分子が酸素とブドウ糖(グルコース)で、脳は全体重の2%の重量にも関わらず全身で消費する酸素の20%、同じく全身で消費するグルコースの25%を脳は消費し、成人の脳で1日に400Kカロリーのエネルギーを消費する大食い臓器が脳なのです。

     

    ブドウ糖(グルコース)は脳の燃料の源泉で、デンプンが酵素によって分解されるとブドウ糖という最小単位の糖になり小腸から吸収され脳に届けられます。

    このため私たちはご飯、パン、穀物、イモ類などのデンプンを多く含んだ炭水化物を主食とするのです。

     

    糖の種類には、複合糖質(自然食品に多く含まれる)と単純糖質(ほとんどの加工食品や甘い食品に含まれる)があり、複合糖質はデンプンがゆっくりと分解されてブドウ糖に変わるので「スローリリース」、単純糖質はデンプンが急激にブドウ糖に変化するので「ファストリリース」と言われます。

     

    「ファストリリース」の単純糖質である白砂糖や精製デンプンを大量に食べれば血糖値が急激に上がります。

    高血糖は脳にとって危険な状態で、過剰なブドウ糖がタンパク質と化学反応を起こしてくっついてしまったり、脳内で炎症反応を生じさせて脳神経細胞を殺してしまいます。

     

    このような時に体内では高血糖を是正するためインスリンが大量に分泌され、今度は大量のインスリンによって血糖値が急降下し低血糖を招きます。低血糖は大量にエネルギーを消費する脳には緊急事態となるため、脳はストレスホルモンであるアドレナリンを放出して急速に血糖値を上げようとするので気分が悪くなったりします。アドレナリンは脳幹から分泌される脳内ホルモンで気分を高揚させたり、注意、不安、怒りなどに関わり、このような一連の生体反応を「シュガーブルー」といいます。

     

    このことからも食べた後にブドウ糖にゆっくり変わるスローリリースの複合糖質(自然食品に多く含まれる)の食べものの方が、脳にとって優れた食べもであることが理解できます。

     

    ちなみに、食べてゆっくりと血糖値をあげる食品を「低G1食品」といい、代表的な食べ物は、葉野菜、キノコ類、海草類、大豆、魚介類、玄米、ライムギ類など、逆に食べて直ぐに血糖値を上げる食品を「高G1食品」といいその代表的なものに、うどん、餅、精製白パン、精製白米、マッシュポテトなどがあります。

    基本的に「低G1食品」を中心にした食生活の方が脳には理想的な食べもになります。

     

    脳の燃料である糖分の吸収は、胃である程度消化された糖分が十二指腸に送られ、十二指腸でファーター乳頭から分泌されてきた膵液と胆汁とが混ざり、特に膵液に含まれる消化酵素は炭水化物(糖分)やタンパク質を消化します。

    十二指腸である程度消化された糖分は小腸で腸液と混ざり、更に分解され「ブドウ糖」・「果糖」・「ガラクトース」などの糖の最小単位にまで分解されて腸毛細血管から吸収され全身に送られます。

     

    以前、ブログ快感と不快4・・・感性を磨く48で「腸脳相関」という、腸と脳は相互に深く関係している事を記しましたが、最近では消化器官の小腸を標的器官とした治療法で、うつ病や精神疾患などの患者さんに良い効果が表れる治験も発表されています。

     

    ある研究で消化器官を支配する迷走神経に電気刺激を与える「迷走神経刺激法(VTS)」という治療を行った結果、うつ病患者の15%が改善、

    それ以外にVTSを行った結果、「海馬」で「脳由来神経栄養因子(BDNF)」(脳細胞の増加に不可欠な液性蛋白質)の増大、「線維芽細胞増殖因子(FGF)」(血管新生、創傷治癒などに関係する成長因子)の増大が見られ、

    「前頭葉」ではノルアドレナリンなどの脳の重要な物質が増えることが確認されています。

    このように腸は栄養素を吸収する最大器官であるばかりか、消化器官が出すホルモンが血流にのって脳に達し神経機能にも影響を及ぼし、食欲のコントロールや覚醒、記憶に至るまで胃腸の支配、影響が及んでいることが確認されています。

     

    「腸脳相関」という観点からも、腸を整え、腸内フローラの働きを良くすることは、脳を健全に育むことに直結することが理解できると思います。

     

    UCLAで作成された最新の「脳への良し悪しの栄養素」は以下の通りです。

    1.オメガ3不飽和脂肪酸(DHA)など 高齢者の認知機能低下の改善

    2.フラボノイド(ココア、緑茶、かんきつ類、ワインに多く含まれる) 高齢者認知機能向上

    3.ビタミンB類(豆類、豚肉) B6,B12や葉酸に女性で記憶力の向上

    4.ビタミンD(キノコ、牛乳、豆乳、シリアル食品など) 高齢者認知機能に重要

    5.ビタミンE(アスパラガス、アボガド、豆類、オリーブ、ホウレンソウなど) 加齢による認知機能低下を遅延

    6.ビタミンA,C,E 高齢者認知機能低下を遅延

    7.カルシウム(牛乳など) 血清中にCaが高いと加齢による認知機能低下が促進

    8.亜鉛(カキ、豆類、穀物など) 加齢による認知機能低下を遅延

    9.銅(カキ、牛・羊、肝臓、黒糖蜜、ココア、ブラックペッパーなど) 血漿中の銅濃度の低さはアルツハイマー病の認知機能低下の程度と相関

    10.鉄(赤身肉、魚、豆類など) 若い女性において認知機能を改善

    11.飽和脂肪(バター、ラード、ヤシ油、クリーム、チーズ、肉などに多い) 高齢者の認知機能低下を促進

     

    *参考:脳には妙なクセがある 池谷裕二著 扶桑社新書

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    腸脳相関

     

     

     

     

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