荒島岳2(1,523m) もちが壁
2019.03.02 Saturday
ブナ林を締まった心地良い雪道を行くと、シャクナゲ平という開けたところに出る。
ここからは、北陸のスーパースター白山・別山が一望できて少し疲れた体を視覚から一服の清涼なエネルギーを与えてくれる。(^^)/
人間の感覚情報の9割以上が視覚(目👀)からの情報なので、普段見ている情報からの脳への影響はとても大きい!
この日の予報は曇りだったので眺望は期待していなかったが、白山、別山、経ヶ岳を見ることができてますますテンションは上がって行った。!(^^)!
シャクナゲ平から先に「もちが壁」という壁のような斜面があって、滑落死亡事故なども発生している危険な場所がある。積雪期以外は鎖・ロープが張られているが埋没しているので、アイゼンとピッケルで氷化気味の雪を突き刺しながらよじ登る!
(;´・ω・)
この難所を越えると前荒島岳へ展望の開けた稜線を左に白山を見ながら急登していくが、稜線に出た途端に暴風が吹き荒れてピッケルで雪面を突き刺し体を保持しないと吹き飛ばされてしまいそう!!
このあたりで気温-3℃、風速20m以上、体感-20℃以上くらいの極寒で、シャクナゲ平まではミドルレイヤーでも汗ばんでいた体が一気に冷えた。((+_+))
人間の体には外気に関係なく体温を一定に保とうとする「恒常性」という機能がありますが、恒常性を保つため体はエネルギーを燃焼(カロリー消費)させます。
エネルギー消費は、夏場より冬のほうが多くのエネルギー消費しています。これは夏などの気温が高い時はさほどエネルギーを燃焼させなくても体温を維持することが出来ますが、気温が低くなればなるほどエネルギーを燃焼させ体温を維持する必要があるからです。このため寒さが増すほどエネルギーの燃焼が盛んになり、体力の消耗も激しくなります。
人体が放出するエネルギーは大きく3種類あり、10%が消化、20%が運動するエネルギー、70%が臓器や体内組織で使われます。最も多くの量を使う70%のエネルギー(臓器や体内組織で使われ生命を維持している)は基礎代謝と呼ばれており、特別な運動をしない場合でも消費されています。
このことからも分かるよう、極寒の雪山登山はそれ以外の季節以上に大量のエネルギー消費による体力消耗が激しくなるので適宜に行動食を補給し、エネルギー枯渇(シャリバテ)を起こさないようにしなければなりません。
また雪山登山後は身体の消耗度が激しいため、私の場合だと少なくとも1W間以上の肉体のリカバリー期間(チャージ)を要します。
雪山では人体にとり全く油断できない過酷な環境を強いられるので、"備え”の大切さを身をもって体感させられます。
この事は「一時が万事」に繋がっているようにも感じ、私にとり「山は人生の学びの場」でもあります。
シャクナゲ平から 経ヶ岳 白山 別山
もちが壁
2016.同所
もちが壁 上から見る(;^_^A
前荒島岳への稜線
前荒島岳から 中荒島岳への先行者
2016.同所
中荒島岳
中荒島岳から下を見る
中荒島岳から 荒島岳山頂が見える
荒島岳山頂へのやせ尾根 左は雪庇
山頂手前から見る 小荒島岳(1,186m)