キラー・ストレス2(命を奪うストレス)
2016.07.14 Thursday
ハーバード大学で子供のころ強いストレスを受けた人の30年後の影響について調査しました。
脳の扁桃体に変化が見られ、子供のころに強いストレスを受けた人は大人になると扁桃体が大きくなっていました。
扁桃体は恐怖や不安に反応する脳部位です。
扁桃体が大きくなると小さなストレスにも反応してしまい、ストレスに弱くなってしまいます。また扁桃体が活発に働いてしまうため、扁桃体からの不安・恐怖のインパルスは副腎皮質のストレスホルモンをどんどんと分泌させてしまいます
これとは逆に扁桃体を削除されたサルは恐怖心がなくなり、ヘビを見ても逃げることなく食べようとさえしたり、扁桃体を削除されたオス猫はウサギなどの別種の動物にまで交尾行動をするようになるなど、要するに扁桃体が無くなるとそれが自分にとってどのような存在なのかわからなくなってしまうそうです。
ヒトの場合も扁桃体に異常があると、相手の表情を読み取るのが困難となり特に恐怖、怒り、嫌悪などの表情を読み取ることが難しくなるそうでこれをウルバッハ・ビーテ病といいます。
古代人は狩猟や周りにも天敵がいて命がけで戦わなければならず、扁桃体の興奮で自律神経系(交感神経の興奮)やストレスホルモン分泌などで心拍数をあげたり止血作用など、緊急事態や戦闘態勢にそなえ全身を戦う態勢にする必要があり、そのストレスが去ると扁桃体の興奮も無くなり元の正常な状態に速やかに戻っていましたが、現代社会においては命がけで戦う必要がなくなった反面、精神的ストレスが四六時中持続しストレス反応が暴走しキラーストレス(命を奪うストレス)となってしまいました。
このようなストレスへの積極的対応策にコーピングという方法があります。
コーピングとは、「こころの歪み」を解消し平静の状態(Well-Bing)に戻すスキルを指し、精神疾患を治療する際に用いる心理学「認知行動療法」をベースとしたものです。
正常な状態の脳では扁桃体(古い脳)の暴走を前頭連合野(新しい脳)がコントロールすることでバランスをとっています。
例えば、お化け屋敷やホラー映画を見にいく、絶叫マシーンに乗るなど、その行為は明らかに怖いことが分かった上でわざわざ好んでその行為をすることがあります。
これは、扁桃体で感じたものをこれまでの経験と照らしあわせて前頭連合野が総合的な判断をして、恐怖も楽しみの一つとしてしまうためです。
前頭連合野は、扁桃体が暴走しないようアクセルとブレーキの役目を果たしているのです。
この脳の仕組みを応用したものがコーピングの手法で、つまりストレスを受けたた時にどんな気晴らし(行動)をとれば気分が上がるのかを予め調べてリスト化しておくのです。
つまり気晴らし(行動)=認知(前頭連合野)して、ストレス時にその気晴らし行動を実践し扁桃体の興奮を抑制(コントロール)するのです。
コーピングする項目(ストレス対策)は100項目くらい準備すると良いそうです。
例えば、
・スクワットをする
・本を読む
・植物をみる
・笑う
・富士山に登っているのを想像する
・宝くじに当たったと想像する
・散歩する
・好きな歌を歌う
・好きな曲を聴く
・チョコレートを食べる
など想像も含め、自分が楽しく思えて気晴らしになる事をなるべく多く書き出し用意しておき、今のストレスにはこのコーピング、と使い分けながら認知コーピングします。
My coping
つづく
100個も思いつくかな~(´ー`)┌
楽しく思えて気晴らしになりそうなこと、書き出してみますね(゜∇^d)!!
想像する事でもいいんですね♪