白馬岳5・・・本当の試練は登りより下り (-"-;A ...アセ

2017.09.07 Thursday

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    約40分で山頂から戻り、AM7:20に白馬山荘を猿倉に向け出発した。

     

    登山事故の約5割が転倒、転落、滑落であるがその大半は下りで発生している。

     

    登山の疲労を連想すると、断然上りが思い浮かぶのだがそれは体を持ち上げながら進むため筋肉がより大きなエネルギーを使うので、たくさんの酸素を必要とし心拍数が上がり苦しくなったり辛いと感じる。

    下りは運動エネルギーをあまり消費しないので心拍数は上がらず苦しい等の辛さはさほど感じないのだが、脚に負荷がかかり筋肉疲労が大きいのは断然下り。

    この事が、登山の下りは上りより身体を壊す、事故につながるリスクが高い理由でもある。

     

    この日の白馬大雪渓は大雨のためぐシャグシャで、雪は腐り、足を取られ、脚全体(特に大腿四頭筋[腿の筋肉]、下腿三頭筋[ふくらはぎの筋肉]がエキセントリック収縮)で過負荷がかかり続け、帰宅後4日間も激しい筋肉痛に見舞われた。

    普段から体は鍛えているので登山後に筋肉痛はまず無いのだが、それだけこの白馬大雪渓の悪天での下りが筋肉を過大に酷使した事をこの体験が物語っていた。

     

    それ以上に困難な出来事があった。

    それは沢があちこちで氾濫し、所々でその溢れた水が登山道を塞ぐ難関が3か所あった。

     

    白馬大雪渓の地下へと繋がる沢が大増水し、沢を横切る為に掛けられた登山道の木製の橋が冠水したため、激流の増水した沢を渡渉しなければならなくなった。

     

    このポイントに差し掛かる手前、登ってきた単独の親切な登山者の方がその沢の渡渉のアドバイスをしてくれた。

    間もなく歩くと増水した沢が現れ、丁度その時に5人のパーティーが順番に沢を渡渉をしていた。その方達が沢の中をステップしていく順路を見ながら事前にイメージする事が出来たため落ち着いて難なく渡渉する事ができた。

     

    次の難関は、小雪渓の脇道が沢の増水で登山道を塞いでいたため、距離は短いものの沢の中を渡渉しなければならなかったが、ここでも親切な方が手を貸してくれ安全に渡る事が出来た。

     

    最後の難関は白馬尻前の登山道で、斜面上部から鉄砲水の様に吹き出す滝のような水が登山道を塞いでいた。ここを通過するにはその滝の様になった水の中を水中歩行していくしかない。登山道下手は白馬大雪渓への沢なので水圧に押し流されればそのまま沢に流される。

    意を決しダイブするようにその滝の様な水中に入り、無我夢中に水中歩行しながら何とか切り抜ける事ができた。

     

    こうして数々の試練をくぐり抜け猿倉に到着したのがAM11:40、次の白馬駅行きバスがPM12:20であったため丁度良いタイミングと安堵していた。

     

    しかし、猿倉荘で待っている人の話によればこの大雨で猿倉発のバス全便が欠航したらしいと・・

    (-"-;A ...アセアセ

    それを聞き猿倉荘でバスの運行状況を聞くと、やはり大雨の影響で土砂災害の恐れがあるため終日運行の目途が立っていないとの事!

     

    とりあえず停留所に行ってみると、一人の山男がコンロでラーメンを作っている。

    彼も来る目途が立たないバスを、腹ごしらえしながら待っているとの事だった。

     

    この時、私の携帯は漏水の影響でダウンしていたため、歩いて白馬駅に向かうにはどれくらいの距離があるのか?もしくはバスが通っているバス停までの距離?などの情報がサッパリ分からなかった。

    そこで彼に徒歩で帰る手段は無いものなのかを聞いてみると、麓に「おびなたの湯」という温泉がありそこまで歩けばバスが通っているかも知れないとの事だった。

     

    ここで待っていても仕方ないので「おびなたの湯」まで歩きませんか?と彼に聞くと、では歩きますという返事、彼と共に舗装された林道を「おびなたの湯」に向かい歩き始めた。

     

    途中、彼とは様々な山話で会話が盛り上がった。

    彼の話によると3日前に爺ヶ岳から入山し、後立山を日本海まで縦走していく予定だったが、昨日来の白馬岳での暴風雨でテントを破損し下山を余儀なくされ、そして先程の白馬尻前の鉄砲水に巻き込まれ沢に流されたが命からがら這い上がってきた事など、

    彼は松本市に住んでいて夏のシーズンは北アルプスをしょっちゅう縦走しているベテランなのだが、こんなに恐ろしい体験をしたのは初めてだと、熱っぽく語ってくれた。

     

    そんな彼と話していると時間も距離も忘れ、気づくと「おびなたの湯」に猿倉から約1時間20分で到着、PM2:20の「おびなたの湯」発 白馬駅行きのバスに乗車し無事に帰路につくことが出来た。

     

    今回の山旅は今までにない自然の厳しさを体験したが、様々な人たちとの貴重な一期一会も有り、自然と人間との関わりについて学ぶ事が多々あった。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    村営頂上宿舎

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    大雪渓前 濁流となった沢を渡渉する

     

    橋は冠水

     

     

     

     

    上の沢の先は大雪渓の地下へと繋がる

     

     

     

     

    白馬大雪渓は悪天で視界不良

     

     

    大雪渓の至るところに落石

     

     

     

     

     

     

     

     

    大雪渓終わり大雪渓ケルン 大粒の激しい雨が雪に見える

     

     

    白馬尻小屋前からの白馬大雪渓

     

     

     

                            つづく

     

    http://www.asa2000.info/

     

    コメント
    おはようございます(*^^*)
    朝晩涼しくなりましたね♪

    一期一会!いいですね〜(^-^)v
    asaさんのブログで、出会った方々とのやり取りとか興味深く読んでいます(^-^)
    今回も出会った登山者の方々から、
    情報、ヒントを得て難を免れる事ができましたね♪

    ものすごい勢いの濁流や
    視界の悪い大雪渓など
    写真から自然の厳しさが伝わってきましたよ(*o*)
    • by おさるさん☆
    • 2017/09/08 7:16 AM
    @おさるさん☆
    おさるさん☆ブログの白馬岳の思い出
    写真もセピアのような感じで、当時の
    楽しい思い出が伝わってきました。(^◇^)

    人との出会いは真に不思議デスネ!
    袖触れ合うも、、、とは言いますが、

    私の場合、山でピンチに遭遇すると
    必ずといってイイほど助けてくれる
    救世主的な人との出会いがあります。

    日々その時々に出会う全てを
    一期一会という意識を持ち、
    出会う全ての人たちとの関わりを
    大切にして行く大事さを、今回の
    出会った人たちからも感じました。
    ^_^
    • by asa
    • 2017/09/08 8:27 AM
    しかしホント、よくぞご無事で(@@;)
    • by りんご探検隊長
    • 2017/09/08 9:50 AM
    @りんご探検隊長

    今回体験した自然でのリスクは、
    予想以上のものがありました。

    自然が予想を超えた猛威で災害を
    もたらす頻度も以前より増えて
    来た昨今ですね!

    自然と人間との不調和がもたらした、
    自然からの警鐘とも感じられます。

    負の循環を反転させるには、真に人間の智慧
    が試されている時代の様にも感じます。

    自然を直に感じるほど、直覚的に共生と調和
    の大事さを肌で感じます。
    • by asa
    • 2017/09/08 11:31 AM
    自然は時として底知れん(試練だけに)怖さがありますよね。
    私なら天気を見ながら中止にした山行ですが
    行っちゃう画伯の勇気がすごいです。
    • by みだい兄さん
    • 2017/09/09 8:33 AM
    @兄さん
    この日は、前線の張り出しもなくせいぜい時々雨くらいかな?と、
    朝から白馬大雪渓までは曇りでした。天気予報だけでなく、自然を
    多角的に感じとる感性の大切さを感じました。
    • by asa
    • 2017/09/09 9:14 AM
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