槍へ2 槍平小屋へ
2018.09.05 Wednesday
登山口から夏山近道でショートカットし穂高平小屋に着く。穂高平小屋で小休止していると学生らしき数名のグループも上がって来た。
相変わらず、寝不足と過労のためかペースが上がらない。グループから先行し穂高平小屋から出発したが、歩きだして間もなく2人が追い越して行く!
ザック(Gregory36L)がやたら重たく感じるが無理もなく、槍ケ岳山頂まで約16Km、約10時間の道のりを考え自家製スポドリ3,5Lを携帯していた。
体の重さに輪をかけザックの重さと格闘しながらボツボツ歩いていると後方から軽トラが近づいてきて、山岳パトロール隊からこれから天候の悪化が予想されるため途中にある数ヵ所の沢の渡渉に充分気をつけてくださいとの警告を受けた。
数日前の鉄砲水の写真を見せられ、急激な降雨があると約20〜30分で沢は激変するため、その様な時は増水に加え水が濁ったり土臭く感じたりするなど異変を感じたならば絶対に渡渉しない様にしてくださいとの事で、過去に無理に渡渉し沢で流され死亡事故も発生している。
鉄砲水の恐ろしさは、短時間の大雨で沢に急激に水が流れ込み、下流がいくら晴れていても上流で激しい雨が降れば水の増えた沢が集まり急激に水位が上がるため、鉄砲水ともなればその名の通り急激な速さで岩なども巻き込みながら流れ落ちてくるので逃げ場を失い巻き込まれてしまう。
なので、下流の沢であっても少しでも危険を感じたならば一時的に停滞する事や、断続的に降雨が収まらなければ撤退することも必要だ!
この事は昨年、白馬岳で私自身が大増水した沢を命からがら渡渉した教訓からも言えることでもある。
白馬岳 大増水した沢の渡渉 2017.8.23
山で雨に長時間打たれると例え夏山でも体が冷え低体温症になる。雨具は勿論、ウエアリングもベースレイヤーは吸湿、速乾性のあるものや、防寒具は標高の高い夏山登山では必携。加えて、エマージェンシーシート、ツエルト、ソロテントなどビバーグも考慮した備えも大切なことである。ここは、北アルプス槍ケ岳山中、遭難が絶えない山域でもある。
穂高平小屋の次のポイントとなるのが奥穂高岳登山口の白出沢出合、ここで先ほど先行した2人組から遅れ、1人後方から歩いて来た学生と出合う。聞くと、3人で槍ケ岳を目指し名古屋から来たワンゲル部の学生で、就活も終わり学生最後の思いでに槍ケ岳に来たそうだが、先行2人の仲間との歩行ペースについて行けず1人遅れているとの事だった。
先ほどのパトロール隊からの警告もあり、この先天候が荒れ沢が増水した場合などは単独登山では危険なため、私の方からそのワンゲルの学生K君に声をかけ、この先の槍平小屋までにある3つの沢の渡渉まで同行し登ることにした。
夏山ショートカットコース 結構、急勾配(;^_^A
穂高平小屋
今回の装備(Gregory36Lザック グリベル登山ヘルメット)
崩落地
白出沢出合 L:槍ケ岳 R:奥穂高岳
白出沢
滝谷避難小屋
滝谷出合の渡渉
ロッククライミングの名所 滝谷
滝谷を渡ったところに岩登りの草分け藤木九三のレリーフが岩に埋め込まれている (違和感)
槍平小屋手前くらいから本格的な雨となる
槍平小屋 1.990m 定員80 一泊二食9,300円 テント場50張 1人1000円
AM9:30槍平小屋到着後正午まで待ったが雨が止む気配がなく雨足が強まり、この日はここで滞在