登山への備え 食べ物
2019.02.13 Wednesday
私たちが運動する時(筋肉を動かす)、性質の異なる3種類のエネルギー供給系からそれぞれ、
発揮する筋力の大きさ、持続時間、連続的か間欠的、などに応じ、
その場面で最も相応しいエネルギー供給系が選択的に動員され運動するようになっています。
運動とエネルギー代謝図
図:左
ATP-CP系…CP→C+P+ATP(エネルギー)
この系のエネルギー源はクレアチンリン酸(CP)とADP(アデノシン二リン酸)でこれを分解させATP(アデノシン三リン酸)=筋肉を動かすエネルギーをつくります。
主に、短時間の最大筋力や瞬発的な強い運動時、例えば筋トレなどで使われるエネルギー系です。
*コリ回路(Cori cycle)は、嫌気呼吸の過程において、赤血球や筋肉でグルコースから乳酸を作り、肝臓で乳酸からグルコースに戻すまでの経路のこと
図:真中
解糖系代謝…炭水化物→乳酸+ATP(エネルギー)
この系はエネルギー源である炭水化物を分解してATP(エネルギー)をつくりだします。この時に乳酸も同時に発生するため、このエネルギー系でのエネルギー出力(運動)は直ぐに筋疲労が発生します。
短時間の間、大きな筋力を使う強い運動、例えば最大努力で10~70秒程しか持続できない強度の運動(200m、400m、800m、1500m走など)などで使われるエネルギー系です。
図:右
有酸素系代謝…炭水化物+O₂→CO₂+H₂O+エネルギー 脂肪+O₂→CO₂+H₂O+エネルギー
この系は炭水化物、脂肪を酸素で燃やし二酸化炭素、水、エネルギーをつくりだします。
最大努力で70秒以上持続できるくらいの低強度の運動時に主として使われるエネルギー系で歩行、ジョギング、マラソン、登山などで使われるエネルギー系です。
登山で燃料切れ(食べ物切れ)により体が動かなくなるような状態をシャリバテといいます。
*シャリバテ…空腹で、激しいエネルギー消耗などで炭水化物が枯渇し血糖値が急激に下がり筋疲労で体が動かせなくなったり、脳、神経系の働きも低下する。登山で最も重要な栄養素は炭水化物である。炭水化物は筋肉、脳、神経系のEg源であり少ない量で大きいパワーを発揮できる。特にデンプン類は遅効性燃料で血糖値をゆっくり上昇させ腹持ちもよく持続的なEg供給には一番の食べ物だ。ご飯、麺類のほうがパンより腹持ちが良い。
マラソンで使われるエネルギー量はおおよそ2,000~2,500Kcal、行動時間が5時間くらいの登山でほぼマラソンと同程度のエネルギーが使われ、7時間以上の縦走登山となるとマラソンのほぼ倍の5000kcal以上を消耗します。
このため登山など長い行動時間を強いられる場合は適宜、行動食・携帯食など(栄養補助食品)で燃料を補いながらシャリバテしないよう備えていく必要があります。
特に冬山(雪山)登山などの場合、停滞は急速に体温を奪うので、よく歩きながら行動食を摂ります。またお握りやお弁当など水分を含む食糧は凍り付いてしまうので冬山(雪山)登山には不向きです。
私の場合(雪山登山時)、登山スタート前にお握り🍙二個、スムージー(無添加)を摂り、炭水化物、ビタミン、ミネラルを蓄えてからスタートします。あとは、行動食・携帯食など(栄養補助食品)、ホットレモンハチミツ入り(自家製)を適宜摂っていきます。
しかしモトくんの膀胱タンクはどうなっているか不思議です(*_*)
意識の力か〜(*_*)