西穂高岳(2,909m)への道(心・技・体)3 山頂直下で起こった落石事故

2019.10.19 Saturday

0

    正午前、私たちが後10mほど登ると山頂という所にさしかかったその時、前方6~7m先を登っていた登山者から突然「落、ラク、ラク・・・、」との大声が響き渡った!見ると4~5個の直径30~40cmほどの岩石が凄い勢いで転がってくる!!

    前方の4~5m先の女性のヘルメットに一片の岩石が接触して跳ね上がり、私の右側を次々と岩石が転がり落ちて行くのを身を伏せながらやり過ごしていると、その一片の岩石が私の右隣で身を伏せていた男性登山者の左手親指付け根部(第1中手骨部)に直撃し悲鳴が上がる!

    すぐさま近づき被害男性の手袋を外すと左手親指付け根部の皮膚、皮下組織が裂けていて中手骨が露呈するほどの深い傷を負って出血が激しい!

    日頃から山行にはエマージェンシー用具や救急道具など携帯していたので、タオルで患部を止血してその上から伸縮テープとホワイトテープでギブス包帯のようにして止血措置をした。止血の際に完全に血を止めて(完全阻血)しまうと組織に血液が回らなくなり約30分ほどで組織が壊死してしまう。

     

    私が救急処置をしている間に、他の登山者が119通報で救助要請、居合わせた登山ガイドが安全の場所に誘導するなど、皆で協力しながら負傷者の保護にあたった。

    この日の西穂高岳山頂はガスに覆われ救急要請したヘリが近くまで飛んできて旋回するものの山頂には近づけづにいた。麓から山岳救助隊が登ってくるとの事で最低でも到着まで4~5時間かかるという。

     

    処置を終え安全な場所に退避した被害登山者を見届けて、その場から約5分先の山頂にPM12に到達した。

     

    西穂高岳山頂直下の落石現場 破線赤丸辺りから落石してきた

     


     

    私たちが西穂高岳から下りて来たPM2:50頃、ガスが取れた山頂にヘリコプターでレスキューしている様だった

     

     

     

    西穂高岳山頂からの眺望

     

    ブロッケン現象

     

     

     

    間ノ岳 天狗岩その先ジャンダルムを経て奥穂高岳につながる

     

     

     

     

     

     

     

    下山して行く

     

     

     

    コメント
    コメントする