感染症 備え3 筋肉と免役力1
2020.04.01 Wednesday
筋肉を鍛えると免疫作用が強化され肺炎や、腎臓疾患、心筋梗塞、糖尿病など予防にも絶大な効果があります。
グルタミンは筋肉に多く存在し、筋肉内の30~50%のアミノ酸がグルタミンで私たちの体に一番多く存在するアミノ酸です。
体には非常に多くのグルタミンが必要であるため、普段は筋肉や血液中に大量にストックしていますが、体内でも合成されるので非必須アミノ酸に分類されています。
運動などで筋肉を使うと筋肉内のたんぱく質の分解が進みグルタミンが多く放出されますが、これはグルタミンが筋肉の修復や成長に関わっているため、運動後の筋肉疲労の回復や筋肉を作る役割を担っているからです。
Muscle training in asa Gym
グルタミンの効果には、筋肉の分解抑制(筋肉が壊れるのを防ぐ)、消化管機能のサポート(腸を健康に維持する)、免疫力向上、傷の修復などがあると言われています。
グルタミンは腸管の最も重要なエネルギー源であることが明らかになっています。腸管には絨毛(じゅうもう)という突起があり、食事から摂った栄養素はここから吸収され、肝臓を通して全身へと送り込まれます。また細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きもあります。グルタミンにはこの絨毛を修復する作用があると共に、薄くなることを防ぐ役割があり常に腸を健康な状態にするための消化管機能のサポートをする働きがあります。
ほかにもグルタミンは、リンパ球、マクロファージ、好中球と呼ばれる免疫細胞の重要なエネルギー源となり、これら免疫細胞は体内に入り込んだウイルスや有害細菌、がん細胞などを貪食(食べる)して、先に述べた細菌やウイルスの侵入を阻止してくれる腸管絨毛のエネルギー源でもあるとともに免疫機能が正常に働くのにはグルタミンが重要な役割をしていることが分かっています。
傷の修復にも免疫を担当する細胞の働きが必要ですがグルタミンはこれらの細胞のエネルギーとなるので、傷の修復効果も期待できます。
グルタミンは筋肉に多く存在し、適度な運動(有酸素運動、筋トレなど無酸素運動)を積極的に行うことで適度に筋タンパクの分解を促しグルタミンを放出させます。
これにより、グルタミンをエネルギー源としている免疫細胞が活性化され、筋力ばかりでなく免役力もアップするのです。
適度な運動は免疫力を活性化させますが、長時間の運動、強度の大きい運動など過剰な運動は、免役力を低下させ感染症のリスクが高まるという報告もあります。適度で質のよい運動習慣が免役力を高めるためには大切で、そのサポートをしてくれるのがグルタミンなのです。
運動などで筋肉を使うと、筋肉内のたんぱく質の分解が進み多くのグルタミンが放出されるため、その際にグルタミンを補給することで筋タンパクの分解を減らすことができます。
グルタミンの多い食品には、アーモンド、小麦粉、海藻類、鰹節、きな粉、しらす干し、肉類、魚介類、チェダーチーズ、卵、牛乳、トマトなどがあります。グルタミンは体内で合成されるアミノ酸ですが、運動などでグルタミンの量が減ってしまうのを補うためにこれら食品を普段から積極的に摂取するのが好ましいです。
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