中央構造線と山

2016.09.30 Friday

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    中央構造線は日本で最も長い断層で関東から九州へ、西南日本を縦断する約1000kmにも及ぶ大断層。

    水平に何百kmもずれ動いており、ずれたところは岩が砕かれ谷や峠になっている。

     

    中部エリアでは諏訪湖近くの杖突峠より赤石山脈(南アルプス)の西のヘリを通り、分杭峠・地蔵峠・青崩峠を南下、天竜川にぶつかり、東三河で豊川の谷を作り豊橋市を通り、太平洋に抜け紀伊半島から四国〜九州へとつながる。

    なので私の住む豊橋市は中央構造線の断層上にある。

     

    (鳳来寺山自然科学博物館展示)

     

    この断層を挟んで、北側は高温低圧でできた岩(領家変成帯)、南側は低温高圧でできた岩(三波川変成帯)が分布する。

     

    日本列島は、1億8000万年前(ジュラ期)にユーラシアプレートの東端に日本列島の上半分(大陸側)が出来、1億3000万年前(白亜紀前半)に南方の揚子大陸の東端で日本列島の下半分(太平洋側)が生まれ、イザナギプレートに乗って日本列島へ移動し始めた。

    7000万年前(白亜紀後半)すでに出来ていた日本列島の上半分(大陸側)と、イザナギプレートに乗って来た下半分(太平洋側)がくっついて日本列島が出来た。上半分と下半分のつなぎ目が中央構造線である。

    1万8000年前(氷河期後半)氷河期の終了とともに海面が上昇し、日本は大陸から離れ、現在の形となった。

     

    鳳来寺山周囲も1700万年前は海の底、

    写真(下)設楽層群の貝化石、この地がかつては海であった事を物語る。触れてみたがEgは希薄だった。

    (鳳来寺山自然科学博物館展示)

     

    日本列島も太古は海洋から隆起したプレートからできていて、南アルプス(赤石山系)ではサンゴ礁、石灰質プランクトンの遺骸を地質や化石から見ることができる。

     

    日本三大標高:左:富士山(3776m)1位 中:北岳(3193m)2位  右:間ノ岳(3190m)3位 「仙丈ケ岳より」
     

     

    日本列島には、周辺の海底も含めて多くの活断層が刻み込まれており現在、日本全国で約2,000あるとも言われる。活断層のほとんど全ては間欠的で、一瞬大きく動いて地震を発生させたあと、次の地震まで全く動かないという。

    この様に活断層上に日本列島が載っているわけだから、日本中どこにでも大地震が起きても不思議でない。

     

    中央構造線の全部が活断層ではないが、和歌山県の和泉山脈の南縁から愛媛県にかけての部分は(平均変位速度A級:1000年あたり1.0m以上10m未満の活断層)でとくに四国では極めて活発な右横ずれの活断層である。