由布岳から鶴見岳...special edition 2(男山と女山)感性を磨く43
2017.05.23 Tuesday
鶴見岳と由布岳には古くから次のような伝説があります。
鶴見岳と由布岳 別府市の伝説
山にも、男や女の山があるかち?
それぁ、ちゃんとあるんじゃ。
鶴見岳は女の山でな、それぁうつくし女の山なんじゃ。
山の頂あたりには、よく真っ白な雲がなびいておる。
遠くから見るとまるで女の人がネッカチーフをまいているように見える。
この美しい鶴見岳を、祖母山と由布岳が好きになってしもうた。
祖母山と由布岳はどちらも若い男の山じゃったからな。
由布岳は、すぐに横にならんでいる鶴見岳にとても親切じゃたし、よく話しかけた。
祖母山は祖母山で、遠い南の方からおみやげを持っては鶴見岳のところに通うてくる。
だが鶴見岳はなんともいわん。静かに笑っているだけじゃ。
ふたつの山は何とかして鶴見岳の気持ちを自分の方に引こうと自慢話を始めたんじゃ。
「どうだ、このうでは、力ならどんな山にも負けはせん」と祖母山が自慢をすると、
由布岳が、「力はともかく、このすがたを見てほしい。あの富士山にもまさるともおとりはしないと」、言い返す。
だが鶴見岳はやっぱりなにもいわん。
やさしく微笑んで、ふたつの山の自慢話を、静かに聞いておるだけじゃ。
とうとうふたつの山は、とっくみあいのけんかをほじめてしもうた。
祖母山は、あまりかっこのいい山じゃねえ。そのかわり力は馬鹿に強いんじゃ。
「お前なんか、ひっこんでおれ。」というと、どすんと由布岳にぶつかり、どどど、どどどどとおしまくる。
「負けてたまるか。」由布岳も、全身の力をふりしぼり顔を真っ赤にして祖母山を受けとめる。
好きで好きでたまらん鶴見岳を、祖母山に奪われたくなかったからな。
「おおおっ。」「ううむ。」祖母山も由布岳も、もう死にものぐるいじゃ。けんかは何日も何日もつづいた。
ふたつの山は全身汗びっしょり。もう、へとへとになってしもうた。だが、勝負はどうしてもつかんじゃった。
「もう、こうなったらしかたない。いっそのこと、どちらをえらぶか鶴見岳にきめてもらったらどうだ。」
「ああ、いいとも。」
祖母山と由布岳はどちらが好きかを、鶴見岳に決めてもらうことにしたんじゃ。
鶴見岳はこまった。どちらの山も、それぞれいいところがあったからなあ。
祖母山は、力が強いし、たよりになる。
いっぽう由布岳は、やさしいし、すがたかたちのとてもいい山だ。
鶴見岳はやっぱりまよった。考えに考えたすえに鶴見岳は決心した。
かたちのいい由布岳をえらんだのだ。
「おれは、心のそこから鶴見岳が好きだった。それなのに、なぜ由布岳をえらんだのか。」
祖母山は、大粒の涙をぼろぼろおとして、何日も何日も泣いたそうじゃ。
やがて、その涙が流れてたまったのが、志高湖なんじゃ。
だが、いつまで泣いてもきりがない。
それに、仲良くしている鶴見岳や由布岳に、みじめな姿を見られるのはたまらんかったんじゃろう。
祖母山は、鶴見岳や由布岳の目のとどかん、遠い南のほうに去っていってしもうたんじゃ。
そして誰からも見られんように、体じゅう大きな木をしげらせ、すがたをかくしてしもうたんじゃ。
いっぽう、鶴見岳と由布岳は、毎日なかよくくらしたそうじゃ。
あまりにも二人の仲があついので、別府と湯布院には、あつい、あつい、温泉がわくようになったということじゃ。
大分県民話より
確かに山にも、男性的な山、女性的な山を感じることがありますし、それぞれの山に、温厚、柔和、気高さ、威厳、強さ、優しさ、活気、素直さ、などの性質も感じることがあります。
何かに意識を向けると、脳の脳幹網様体という場が「意識したことだけを捉えて大脳に送る」役割を働かせはじめます。
常日頃の意識の在り方、向け方は脳幹網様体という重要な生命維持装置を正常に働かせるための大変重要なポイントです。
この部位は本能的反射、生命維持に最も大切な重要な器官でもあるため、自意識(エゴ)による誤入力は網様体の精度や能力を減退させて正常な感性が働かなくなってしまいます。
自然や山などのPUREなものに意識を向ければ向ける程に脳幹も活性化し、ありのままを感じるpureな感性がよみがえりやすくなります。
そのPUREな感性が客観性、観察力、分析力を強化し、社会通念、常識、世間体、競争、比較、恐れ、不安などに向けられた歪んだ自意識(エゴ)を修正していく足掛かりとなります。
鶴見岳、由布岳、祖母山、皆さんはそれぞれの山の性別はどちらに感じられました?
鶴見岳
由布岳
祖母山
志高湖