neuron map 2 .....Columnより
2017.12.22 Friday
今回のneuro map 1,2にColumnのページを設け過去のブログ抜粋記事を掲載しています。
neuro map 1に掲載したThe creation of a happy life…アーユルヴェーダの考え方を再掲します。
アーユルヴェーダとは、サンスクリット語のアーユス(Ayus;生命・寿命)とヴェーダ(Veda;科学・知識)が組み合わさって出来た言葉で「生命科学」という意味があり、古代インドを発祥とし約5千年の歴史を持つインド伝統医学をいいます。アーユルヴェーダでは、心、体、行動や環境も含めた全体としての調和が健康にとって重要とし、このような心身のバランス・調和を重視する考え方の全体観(holism)の医学とも言われ下の表にあるように、個人においてヴァータ、ピッタ、カパのどのエネルギーが増加しやすいかにより、体のドーシャ体質が決まります。例えばヴァータ体質のヒトが、ヴァータの風のエネルギーが増加するとアンバランスとなり、その性質から体が冷え、皮膚や粘膜が乾燥し、体重が減ったりします。
体のドーシャの性質と作用
ドーシャ |
エネルギー |
構成 五大元素 |
性質 |
作用 |
ヴァータ |
風のエネギー 運動エネギー |
風・空 |
速さ、軽さ、動き、冷たさ、乾燥 |
運動;体内物質の移動 異化作用 |
ピッタ |
火のエネギー 変換エネギー |
火・水 |
熱さ、鋭さ、軽さ |
代謝;エネルギー変換 消化作用 |
カパ |
水のエネギー 結合エネギー |
水・地 |
重さ、安定、冷たさ、粘着 |
構造;組織・細胞の維持 同化作用 |
。
ドーシャの体質と特徴
ドーシャ体質 |
体の特徴 |
ドーシャ過剰による症状 |
ヴァータ体質 |
俊敏・活発 すばやく軽快 傷の治りが速い |
便秘、寒がり、腹部膨満、 痛み、不眠、皮膚の乾燥 |
ピッタ体質 |
快食、快便 体が軟らかい 皮膚が輝く |
皮膚発疹、出血しやすい 胸やけ、灼熱感 目の充血、下痢 |
カパ体質 |
体力持久力がある 体格がよい よく眠れる |
だるさ、眠気 口内が甘い、痰が多い 鼻水・鼻づまり |
心の基礎となるエネルギーも体と同様に3つのエネルギーによって支えられています。
「サットヴァ」「ラジャス」「タマス」といいトリグナ(心の性質)とも言われます。
トリグナ(心のEG) | 性質 |
サットヴァ | 純粋性、静的原理、光、至福 |
ラジャス | 動性、動的原理、熱、喜怒哀楽、発散 |
タマス | 惰性、停滞的原理、無知、無気力、迷妄、闇 |
ドーシャとはサンストリック語で「不純」「増えやすい」「病素」という意味があり、心のEGの「サットバ」は純粋性なのでメンタルドーシャには含みません。メンタルドーシャとは「ラジャス」「タマス」のことを指します。
心の性質であるトリグナと体の性質であるドーシャには関連性があります。
例えばラジャス(メンタルドーシャ)は動性なので、ラジャスが増加すると怒り、苛立ち、活動的となり落ち着きがなくなります。メンタルドーシャの増加は体のドーシャにも影響を与えます。
ラジャス(メンタルドーシャ)増加は、同じ動的傾向性のある体のドーシャ「ヴァータ」、「ピッタ」も増加させメンタルが体にも影響を与えます。いわゆる心身相関関係です。
タマス(メンタルドーシャ)増加は、精神的には惰性、無気力、精神活動の停滞を起こし、同じ性質をもつ体のドーシャ「カパ」を増加させて体に影響を与えます。
このメンタルドーシャの「ラジャス」「タマス」の増大はこの様に健康を害すこととなります。
*心身相関…心理と生理との作用・活動が相関関係にあること。感情は身体にも適応する形で現れ、また、身体の疲労は心理的意識となって反映する。 (デジタル大辞泉)
サットヴァ(心の性質)は純粋性なので、サットヴァを増大させることは三つの体のドーシャ「ヴァ―ダ」「ピッタ」「カパ」をバランス良く働かせ、精神的には愛、優しさ、正しい理知、心の平安と純粋をもたらします。
つまりサットヴァの精神性は心身の健康の基礎となるため、いかにサットヴァの状態を心に発現、維持するかが
Quality of Lifeを高めていくうえで大切なこととなるのです。
心の性質であるトリグナと体の性質であるドーシャには関連性があります。
心と肉体はセットで働くので、心の性質のタマス・ラジャスを下げサットバを上げるには心のチューニングからより、肉体から整え心に反映させる方がやりやすいかもしれません。
肉体を健全に保つにはアーユルヴェーダでは食事・睡眠・運動を大切に考え、それぞれのボディ・ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)に適切な方法が体系化されています。
体質 |
ヴァータ体質 (ヴァータ増大時) |
ピッタ体質 (ピッタ増大時) |
カパ体質 (カパ増大時) |
望ましい睡眠時間 | 8hr前後 | 7hr前後 | 6hr前後 |
食物の性質 (積極的に摂る) |
重性、油性、熱性の食品 | 重性、油性、冷性の食品 | 軽性、乾性、熱性の食品 |
食事の注意点 |
食事の規則性 軽性、乾性、冷性の食品を減らす |
冷ます作用のもの (穀類、ミルク、甘い果物)を摂る 水分を多く取る (白湯、ミルク、果汁は特に勧められる) 軽性、乾性、熱性の食品を減らす |
食事量を減らし空腹状態で食事をする 昼食後の昼寝はしない 食後1hrくらいして15分程度の散歩 重性、油性、冷性の食品を減らす |
食べ物の性質 | 食べ物の例 |
ドーシャへの作用 V P K |
重性 | チーズ、ヨーグルト、小麦 | ↓ ↓ ↑ |
軽性 | 大麦、ホウレンソウ、コーン、リンゴ | ↑ ↑ ↓ |
油性 | 乳製品、油、油性食品 | ↓ ↓ ↑ |
乾性 | 大麦、コーン、ジャガイモ、豆類 | ↑ ↑ ↓ |
熱性 | 温かい飲食物、スパイス類 | ↓ ↑ ↓ |
冷性 |
冷たい飲食物、緑葉野菜、キュウリ |
↑ ↓ ↑ |
*V(ヴァータ) P(ピッタ) K(カパ) ↑:増やす ↓:減らす
参考図書:インドの生命科学 アーユルヴェーダ 上馬場・西川共著 農文協
アーユルヴェーダでの食事は、健康の維持や病気の治療にとり大変重要で、医薬と食物は同等であること強調しています。
(医食同源)
また、アーユルヴェーダでは食べものが心まで影響すると教えます。食べものは体をつくる素ですから、体の影響は直に心に反映していきます。
(心身相関)
食物の分類 | 食物の性質 |
サットヴァ(satlva/純粋性) を増やす食べ物(純質) |
美味しく、油質、腹持ちが良い、消化が良い、 栄養バランスが良い、食べて心地よく感じる、 具体的には、甘い食べ物、牛乳、ゴマ、果物等 |
この様に、体質(ボディ・ドーシャ)にあった食べ物は体を強健にし病気を治し、未病を防ぐばかりかサットヴァを高める事にも関係しています。
このほか、心のEGのサットヴァ(satlva/純粋性)を高める方法
1.瞑想する
2.内観し自分やすべてを客観しながら行動し、
それによる体感から気づきがおき潜在意識が変わる
3.自然に触れる=(サットヴァのエネルギーに触れる)
優位なエネルギー(自然のEg/サットヴァEg)は、
劣位なエネルギー(ラジャス・タマスのEg)を支配する
2016.1.1 ダイヤモンド富士